※カンファ水と次亜塩素酸ナトリウム溶液と殺菌効力を理論上で比較すると
カンファ水(pH6.0):次亜塩素酸分子の存在率 90%
次亜塩素酸ナトリウム溶液(pH8.6 ※100ppm):次亜塩素酸分子の存在率 10% 弱
カンファ水は次亜塩素酸ナトリウム溶液に比べ次亜塩素酸分子の存在率が約9倍あることから、理論上は約 9 倍の殺菌効力(反応速度)があると言えます。
WHAT IS Comfor-water? カンファ水とは?
アルコールとカンファ水の違い
近年の殺菌・ウイルス事情と殺菌剤の移り変わり
殺菌に用いられる薬剤は一般的に【アルコール製剤】が主流となっています。しかし、近年アルコール製剤に耐性を持つ細菌・ウイルスが増えてきており、アルコール製剤の有効性が薄れてきています。これにより近年の殺菌は【次亜塩素酸ナトリウム】が推奨されるようになってきました。しかし次亜塩素酸ナトリウムには“脱色”“金属腐食”“変質”などの実用上の問題があります。
次亜塩素酸ナトリウムの“効力を上げ・欠点を無くした理想の殺菌剤”それがカンファ水なのです。
カンファ水とは?
カンファ水誕生の背景
次亜塩素酸ナトリウムに酸性剤を加え、pH を下げることで次亜塩素酸ナトリウムの【効力を上げ】【欠点・懸念点が減る】ということは理論上は150 年以上前より解明されていることです。しかし、次亜塩素酸ナトリウムに酸性剤を加えることは化学反応により有毒ガスが発生する本来非常に危険な行為であることからそれを実現することは技術的に困難なことでした。
困難な混ぜ合わせをハセッパー技研が開発した混合制御技術によりカンファ水が誕生したのです。
強力な殺菌・消臭効果 × 安心・安全な衛生水
従来の殺菌剤・消臭剤は「強力効果=危険・有害」な物がほとんどでした。カンファ水は強力な効果を持ちながらも、安全・無害・無公害な安心して使える新しい殺菌・消臭水です。
カンファ水は次亜塩素酸の存在率が高い
殺菌 ・消臭効果の主体である次亜塩素酸を遊離有効塩素と言います。カンファ水、次亜塩素酸ナトリウムを始めとする塩素系生成水及び機能水(電気分解水等)は次亜塩素酸の反応よって殺菌(ウイルス不活化)・消臭効果を発揮します。
次亜塩素酸分子(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)
次亜塩素酸は pH 値(酸性~中性~アルカリ性)によって状態が変化します。
次亜塩素酸は pH 値が低くなるほど【分子 】の状態となり、pH 値が高くなるほど【イオン 】の状態になります。
分子 (HOCl)とイオン(OCl-)の作用
機序
次亜塩素酸は分子(HOCl)、イオン(OCl-)共に細胞内部の栄養素を変性又は消費させ、不活化させる殺菌メカニズムになっています。分子は細胞膜を速やかに透過し、速やかに内部で作用するのに対し、イオンは細胞膜を透過することが出来ないため、外側から時間をかけて作用します。
右記のグラフは次亜塩素酸分子(HOCl) 、次亜塩素酸 イオン (OCl-)それぞれが大腸菌を99% 死滅させるための作用時間を表しています。
※右記グラフ:アメリカ環境保護局研究資料より引用
次亜塩素酸分子は【1.5 分】に対し、次亜塩素酸イオンは【120 分】を要しています。
すなわち、次亜塩素酸分子は次亜塩素酸イオンに比べ約 80 倍反応速度が優れています。
pH 値の変動による遊離有効塩素の存在比
下記のグラフは pH 値の変動による遊離有効塩素の存在率の変化を表しています。
※下記グラフ:技報堂出版【浄水の技術】より引用
pH10 の時はほぼ全て次亜塩素酸はイオンの状態として存在し、pH 値が下がるに連れて分子の状態も存在してきます。
分子の存在率は pH7.0(中性)付近では約 80%、pH4.5 ではほぼ全てが分子の状態として存在します。
pH4.5を下回るとガス(塩素ガス)の状態となり、その存在率は pH 値が下がるに連れ高くなります。
水質はpH 値によって特性が変わります。
次亜塩素酸系生成水(次亜塩素酸ナトリウム溶液、電気分解水 等)の殺菌効力は次亜塩素酸分子(HOCl )の存在率がポイントになります。
次亜塩素酸分子の存在率が高い領域の生成水ほど、殺菌効力が高い生成水と言えます。
カンファ水(pH5.5 ~ 6.5)は反応速度に優れた次亜塩素酸分子が 90% 以上存在している領域であり、また 中性に近い弱酸性領域で調整されているので【殺菌効力と保存性が高く】【腐食性が低い】生成水なのです。
参考:pH 値と殺菌効果の関係性(社内試験)
カンファ水の基礎理論である【次亜塩素酸ナトリウムの pH 値を下げることによる次亜塩素酸の活性化】を証明する目的で同一の有効塩素濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそれぞれ異なる pH 値に調整し、クロコウジカビの分生子に対する殺菌効果を検証した。
- 有効塩素濃度:75ppm
- 検証方法:クロコウジカビの分生子にpH調整した6種の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそれぞれ1ml 添加し、30秒間作用させた。
- 結果:基礎理論通り、pH 値が低いほど殺菌率が上がることが証明された。
カンファ水は細菌やウイルスに効力を発揮
カンファ水の殺菌の主体である次亜塩素酸は微生物を構成する有機物を広く攻撃することによって殺菌作用を示すので、多くの微生物に対して有効な殺菌剤となります。
実際に、細菌 (グラム陰性、グラム陽性、芽胞) 、真菌(酵母及び糸状菌)、一部のウイルスに対して効果があることが確かめられています。また微生物はカンファ水に対する耐性を発達させにくいと考えられています。
代表的消毒剤とカンファ水の殺菌スペクトルの比較
カンファ水と次亜塩素酸ナトリウム溶液との殺菌効果比較
カンファ水は次亜塩素酸ナトリウムに比べ、短時間で強力な殺菌効果を発揮したことが確認されています。
他殺菌剤・消毒剤との殺菌効果比較
カンファ水(100 ppm) 、アルコール製剤、次亜塩素酸 Na 溶液(100ppm) 、市販消臭剤(殺菌成分入)、各薬剤が細菌種の中でも殺菌効果が示しづらい芽胞形成菌種に対する効果比較を実施した。
カンファ水のウイルス不活化効果
SARS-CoV2(新型コロナウイルス)に対するカンファ水の不活化効果を検証した。
(委託研究先:北里大学 医療衛生学部 医療検査学科)
- 検証条件
-
- 初発ウイルス量:2×107TCID50/ml(ウイルス液中の FBS 濃度:2%)
- カンファ水とウイルス液の反応比率 = 9(カンファ水):1(ウイルス液)
- 測定評価法: TCID50法(全検証濃度実施) / プラーク法(100ppm のみ実施)
- 検証方法
- カンファ水濃度 50・100・200・400ppm それぞれを初発ウイルス量に対し定めた比率で反応させた。反応時間は20・60・180・300 秒とし、それぞれの濃度における反応時間毎の感染価を評価した。
- 検証結果
- 濃度 100ppm 以上では SARS-CoV2 を作用時間 20 秒以上で 99.999% 以上不活化することが明らかとなった。
濃度 50ppm のカンファ水においても 97% 程度の高い不活化効果を有することが確認出来たものの、ウイルス量及び反応液中の有機物量によってはウイルスを不活化しきれないことも明らかとなった。従い多くの有機物量が付着(存在)していると想定される実用上においては、ある程度の濃度が必要であることも確認出来る結果となった。
カンファ水の消臭効果
一般の消臭剤は「ニオイを別の臭い(香り )で覆う」方法が ほとんどです。しかしこの方法ではニオイその物を消している訳ではありません。
カンファ水の消臭方法はニオイの元(成分 ・要素 )を分解 ・変質し 、ニオイの元を消します。
カンファ水の消臭における作用機序
カンファ水の反応の主体である次亜塩素酸が悪臭の原因物質と酸化・塩素化反応をして、悪臭の無い(あるいは僅かな)物質に変性することにより、消臭します。
現在 、悪臭防止法により規制されている物質は、アンモニア(刺激臭)、硫化水素(卵の腐敗臭)、メチルメルカプタン(たまねぎの腐敗臭)、トリメチルアミン(魚の腐敗臭)などを始めとする 22 種類存在します。
例えばアンモニアにカンファ水を作用させた場合、アンモニアはモノクロラミンという物質に変質させ、これにより刺激臭が失われます。
アンモニア以外の臭いについても悪臭原因物質には有機物が多く、次亜塩素酸は有機物に対して反応性が高いことから、カンファ水はその他の臭いに対しても高い消臭効果があると言えます。
カンファ水の消臭効果
カンファ水と 4 種の臭気成分を反応させた場合の消臭試験においても高い消臭効果が確認されています。
カンファ水の安全性
次亜塩素酸は分子、イオン共に反応後は速やかに消失します。従い反応速度が速い分子(HOCl )の存在率が高い領域ほど残留性が低く、安全性が高いと言えます。カンファ水は分子の存在がほとんどであることから安全性が高いのです。
またカンファ水の水質は中性に近い弱酸性なので、皮膚の炎症や手荒れなどを起こす心配はありません。
カンファ水を使った動物安全性試験
カンファ水は細菌を始めとする微生物を死滅させますが、動植物などの高等生物に対しては無害です。
ほとんどの微生物はただ1つの細胞から構成されていて、薬剤などに対しては非常に弱い存在です。これに対し高等な動植物は多数の細胞から構成され、個々の細胞は組織として存在しています。このような組織には保護皮膜や組織液といった防御構造が存在するため、カンファ水の影響が問題になることはほとんどありません。
カンファ水が高等生物に対して安全であることは、ウサギあるいはマウスを用いた動物安全性試験において、その安全性は立証されています。
試験項目 | 結果 |
---|---|
単回経口投与毒性試験(ラット) ※急性毒性試験 (第 102061420-001 号) |
異常は認められない |
眼刺激性試験(ウサギ) (第 102061420-005 号) |
刺激性なし |
皮膚一次刺激性試験(ウサギ) (第 102061420-002 号) |
刺激性なし |
皮膚累積刺激性試験(ウサギ) (第 102061420-006 号) |
刺激性なし |
試験先:(財)日本食品分析センター
※試験カンファ水濃度:200ppm
※ラット:実験用ネズミ
カンファ水の反応の主体である次亜塩素酸は、人間の免疫システムにおいて重要な役割を果たしています。免疫細胞のひとつである好中球は異物を分解して排除する際に次亜塩素酸を生成し、その殺菌力を利用しています。このことは次亜塩素酸が人間の体内に常に存在していること、これこそが次亜塩素酸が人間に対して無害であることを意味しています。
カンファ水噴霧による安全性
空間殺菌・消臭・加湿を目的としてカンファ水を空間に噴霧する用途が生活の場に適用されています。噴霧されたカンファ水の液滴を直接吸入した時の毒性を明らかにするため、東京農工大学との共同研究にて吸入毒性試験を実施し、その安全性は立証されています。
カンファ水は無公害
カンファ水から発生する塩素ガスの量は関係省庁及び関係学会が定める量未満の極めて微量であり、 使用環境において危険や弊害を及ぼす影響はほとんどありません。またカンファ水は弱酸性であることから次亜塩素酸ナトリウムの懸念点であるトリハロメタンの発生はほとんどありません。
塩素ガス発生量の検証
カンファ水は排水処理にも安心
カンファ水の殺菌作用は【次亜塩素酸(HOCl)】によるものです。また次亜塩素酸の反応対象は細菌・ウイルスだけではなく、有機物全般が反応対象となります。次亜塩素酸は有機物と反応後は速やかにその効力は消失します。
排水中には様々な多くの有機物が含まれており、次亜塩素酸は排水中でこれらの有機物と速やかに反応し効力は消失します。この次亜塩素酸を多く含有しているカンファ水を希釈又は中和処理をせずにそのまま排水しても、浄化槽に至る前に効力は消失し、排水処理に必要な有用微生物に影響を及ぼす心配はありません。
カンファ水が有機物と反応すると速やかに効力が消失する理論を証明する目的で、カンファ水に微量の血清(糖類※有機物)を添加することで殺菌力に影響が生じるかを検証しました。
カンファ水に 1% 以上の有機物を反応させることで殺菌作用が急激に低下する結果となりました。
この結果からカンファ水をそのまま排水しても、有機物を多量に含む排水と混和すると速やかに効力が消失し 、浄化槽の有用微生物には影響を及ぼす可能性は極めて低いことが言えます。
カンファ水の保存性
カンファ水は安定性に優れていることも特徴の一つです。次亜塩素酸ナトリウム溶液や強酸性系電気分解水、オゾン水の様な短時間での著しい濃度低下や変質が生じにくく、経時変化がほとんど生じないことから、一時保存して使用できる利便性にも優れています。
一般生活環境下における経時変化
保存月数 | 有効塩素濃度 (ppm) |
|
---|---|---|
検証 1 | 生成時 | 140 |
1ヵ月後 | 128 | |
3ヵ月後 | 122 | |
6ヵ月後 | 115 | |
検証 2 | 生成時 | 220 |
1ヵ月後 | 195 | |
3ヵ月後 | 192 | |
6ヵ月後 | 167 |
- ※一般生活環境:常時 22 ~ 25°Cの室内環境
- ※半遮光容器にてスプレーノズルを装着した状態で保存
- ※濃度測定は蓋を開放せずにスプレーより噴射されたカンファ水を採取し測定
- ※上記値は各検証サンプル 5 本ずつ検証を行った、平均値になります
環境変化が著しい環境下における経時変化
保存月数 | 有効塩素濃度 (ppm) |
|
---|---|---|
検証 1 | 生成時 | 140 |
1ヵ月後 | 125 | |
3ヵ月後 | 107 | |
6ヵ月後 | 104 | |
検証 2 | 生成時 | 220 |
1ヵ月後 | 196 | |
3ヵ月後 | 187 | |
6ヵ月後 | 152 |
- ※環境変化が著しい環境:稼働時60°C強の設備上部。設備停止時25°C前後。60°C~ 25°C 前後の温度変化が頻繁な環境
- ※半遮光容器にてスプレーノズルを装着した状態で保存
- ※濃度測定は蓋を開放せずにスプレーより噴射されたカンファ水を採取し測定
- ※上記値は各検証サンプル 5 本ずつ検証を行った、平均値になります
カンファ水は食品に使用可能
食品工場等でカンファ水生成装置を設置し、使用現場で生成されたカンファ水を食品の殺菌に用いることは厚生労働省より認められています。
- 関連法令:
-
- 厚生労働省医薬食品局 食品安全部基準審査課長 食安基発第 0825001 号(平成 16 年 8 月 25 日)
- 厚生労働省医薬食品局 食品安全部長 食安発 0424 第 1 号(平成 26 年 4 月 24 日)
スプレーボトルや容器にパッケージされたカンファ水を購入し、これを食品に用いることは認められておりません。
カンファ水を食品に用いる場合は生成装置が必要になります。
使用現場(工場 )に生成装置を設置し、現場で生成したカンファ水を食品に用いることは食品添加物殺菌剤として認められている。
予め生成された水溶液を購入し、これを食品に用いることは認められていない。また食品の殺菌用として販売してはならない。
カンファ水と次亜塩素酸系生成水の特性比較
次亜塩素酸を効力の主体とする生成水には様々な種類があります。製法の違いで特性が異なります。
食品工場等でカンファ水生成装置を設置し、使用現場で生成されたカンファ水を食品の殺菌に用いることは厚生労働省より認められています。